私の趣味のひとつに、奇術がありますが、器用な指の動きを必要とする奇術は、ボケ防止対策のひとつとしても効果があります。
というのは、指の運動能力と精神の能力は密接な関係にあるからです。
子どもが成長していくとともに字が書けるようになっていくのは、この指の運動能力と密接な関係があることは、よく知られています。
バイオリン、ピアノなどの演奏家や芸術家は、相当の年齢に達しても現役で活躍している人が多いのも、これと関係しているのだと、私は思っています。
ある保険会社が、首都圏に住む30〜50代のサラリーマン306人に、「サラリーマンの老後の不安を具体的に述べよ」というアンケート調査を行ったところ、もっとも多かったのが、「健康」という答えでした。
じつに78・一パーセントもの高率を占めており、二位の「生活が安定しない」という答えの53・九パーセントを大きくひき離しています。
この場合、健康の不安といっても、おそらくガンや心臓病などの病気にかかって、苦しむのではないかという不安を感じている人は、それほど多くないでしょう。
それよりも、いわゆる寝たきり老人やボケ老人のようになり、死ぬに死ねないという状態のまま生きていくことになるのではないかという不安のほうが、大きいのではないでしょうか。