私はゴルフを本格的にはじめたのは、もともとゴルフが好きで、退官後は思いきりゴルフに熱中したいと思っていたからなのですが、老化は足からやってくることを、意識しているためという理由もあります。
60歳を過ぎてからのゴルフですから、急速な上達など、とうてい望めません。
しかし、これからの自分の人生を考えたときに、なんといっても健康が第一です。
それには、足を使うゴルフがもってこいだと考えたのです。
足を鍛えるには、ゴルフでなくても、スキーなりテニスなり、いろいろなスポーツがありますが、いかんせん、60歳を越えた人間には、少々荷が重すぎるように思いました。
その点、ゴルフなら、まあ気軽にできるというものです。
「戸籍年齢」と、「機能年齢」という言葉があります。
これは京都府立医科大学の山田博名誉教授が、人には年齢がふたつあるという理論から提唱されたものです。
戸籍年齢とは、文字どおり戸籍に名まえが載ってからの年齢であり、機能年齢とは、身体的機能の年齢をさす言葉です。
この言葉を使っていえば、年のわりに若いというのは、戸籍年齢に対して機能年齢が若いということになります。
この戸籍年齢と機能年齢は、若いうちはあまり差はないのですが、だんだん戸籍年齢が高くなるにつれて、その差は大きくなります。
ちなみに、戸籍年齢が45歳では、機能年齢は39歳から51歳と12歳の開きが出るようになり、55歳では48歳から62歳、65歳では57歳から73歳です。
戸籍齢が75歳では、機能年齢は66歳から84歳と、その差は18歳もの違いとなります。
75歳の人には、まだ66歳の若々しい肉体を持つ人もいれば、84歳の老いた肉体を持つ人もいるわけです。
たとえ年をとっても、当人の心がけしだいでは、実際の年齢よりずっと若い肉体を保つことができるのです。
体力と気力のあいだには、密接な関係があります。
ある程度、気力を保ちたいと思ったら、やはり体を鍛えておく必要があるでしょう。
そのためには、早くから準備しておくにこしたことはありません。
まだ体のよく動くうちから、体を鍛えておいたのとおかないのとでは、年をとってからの体力が大きく違ってくるのです。